「ガイドブックはあるんです。ただ、文字だらけで、正直誰も読んでいなくて」
バリューブックやカルチャーブックのご相談は、たいていこの言葉から始まります。せっかく作った冊子が、配られた日にデスクの引き出しに入り、二度と開かれない。一方で、配布から半年経っても現場の会話に登場し続けるブックもあります。その差はどこにあるのでしょうか。
読まれるブックには「余白」がある
読まれないブックの典型は、正しいことが隙間なく書き込まれた冊子です。全ページが「会社からの説明」で埋まっていると、読み手は受け身になり、1ページ目で閉じてしまいます。
私たちがブックを設計するときは、あえて余白を残します。たとえばバリューの解説に「あなたの職場では、どういう行動がこのバリューの発揮だろう?」という問いを添える。良い例・悪い例をイラストのビフォーアフターで見せて、答えは読み手に考えてもらう。読み手が書き込める・考えられる余地こそが、冊子を「自分のもの」にします。
構成の定石——社長の言葉から、職種別の行動例まで
数多くのブックを作ってきて、構成にはある程度の定石があると感じています。冒頭に社長メッセージ(1ページで十分です)、なぜこの言葉が生まれたのかという背景、バリューひとつずつの解説、発揮シーンのイラスト、そして職種別の行動例。営業と製造と管理部門では、同じバリューでも発揮の形が違う——そこまで翻訳して、はじめて現場に届きます。
また、更新される情報を紙に閉じ込めないことも重要です。行動例のような「育っていく内容」は主要例だけを掲載し、QRコードでイントラの最新版へ逃がす。紙の弱点である更新性を、設計で補います。

「作って配って終わり」が一番の失敗
そして最大の落とし穴は、配布のあとに何もないことです。「配布のタイミングが遅れて、届いた頃には過去のものになっていた」という後悔は、実際の現場で何度も聞いてきました。
ブックは単体の成果物ではなく、浸透施策の一部です。配布に合わせた説明会やワークショップ、朝礼での活用、評価面談での参照。届けたあとの動線までを制作前に設計しておくことで、冊子は「読まれる」を超えて「使われる」ものになります。
ブック・社内報・記事制作の進め方は、サービス紹介(ブック・社内報・記事制作)をご覧ください。



