社内ポータルやイントラの刷新プロジェクトには、あるあるの展開があります。キックオフから数ヶ月、デザイン案も情報設計も進んできた頃、経営や上位層からこの質問が飛んでくるのです。
「これ、結局どうなったら成功なんだっけ?」
答えられないと、プロジェクトは止まります。目的の再定義、スコープの見直し、実質的な仕切り直し。数ヶ月の作業が宙に浮く——実際に何度も見てきた光景です。
指標は「作る前」にしか決められない
なぜ走り出す前に指標を決めるべきなのか。理由は単純で、ビフォーの計測は作る前にしかできないからです。
リニューアル後に「使いやすくなった」と言うためには、リニューアル前の「使いにくさ」が数字で残っていなければなりません。現行ポータルのアクセス状況、目的の情報への到達率、サーベイの「情報が見つけやすい」スコア。改修が終わってから「前と比べたい」と思っても、前はもう存在しないのです。
指標は1つの「北極星」+2〜3の補助線
指標だらけのダッシュボードは、無いのと同じです。おすすめは、プロジェクトの目的を一言で表す北極星指標をひとつ決めること。
たとえば「社員が情報を見つけられること」が目的なら、サーベイの「必要な情報にすぐたどり着ける」肯定率。「見られる場所にすること」が目的なら、週間アクティブ率。それを補助する数字として、検索利用率や主要ページの到達数を2〜3本添える。この程度で十分です。
ある製造業のプロジェクトでは、独自に「情報エンゲージメント指数」を定義し、現状48を70に上げるという目標を最初に置きました。数字がひとつあるだけで、経営への説明も、途中の設計判断も、すべてがシンプルになります。

指標が決まると、議論が変わる
興味深いのは、指標を決めた後のプロジェクトでは議論の質が変わることです。「トップページに何を置くか」という好みの議論が、「どちらが到達率を上げるか」という判断の議論になります。関係者の意見がぶつかったときの裁定基準にもなります。
最初の1週間を指標の合意に使うこと。遠回りに見えて、仕切り直しのリスクを消す一番の近道です。イントラ刷新の進め方はサービス紹介(社内イントラ・ポータル開発)をご覧ください。



